明日の3.11より一日早く、正太寺では「東日本大震災追悼法要」を勤修しました。20名ほどの方がお集まりくださりました。新聞に案内記事が載ったおかげでしょうか、初めて来られたと思われるご夫婦も。
正信偈を皆で勤め、思いを深めていきます。
勤行後は特別公演として三津村みづほさんにお話しを伺いました。
三津村さんは震災後、縁あって被災地宮城へと入られます。その道程も丸一日かかるほど大変だったそうです。そして現地では目を疑うような惨状が広がっていたそうです。津波から4,5日のちのことです。次々と体育館に運び込まれる遺体。そしてゴミのように大きなかごに集められる死んだペットの亡骸。三津村さんはその光景に大変なショックを受けられますが、とにかくできることをやろうと数日間やみくもに活動されます。
大きな転機は二度目に現地入りした時に、地元の方から「偽善者が!」と言われた時。三津村さんの心に「やってやろう」と火が付いたそうです。
そこから普段の仕事でも携わっていた「納棺」のお手伝いをすることになりますが、それは遺族にご遺体を引き渡す際の静謐なものではなく、ひどくダメージを受けた(体、顔などが欠損していたり、水を含んでいて手で触れることさえできない状態のもの)遺体に対してなんとか見られる状態まで修復、補足してゆくような過酷なものでした。
しかもそうした遺体が次々と運び込まれ、一体どうのようにやってきたのか自分でも思い出せないほどハードな仕事だったそうです。
三津村さんからのメッセージとは「震災を忘れないで」ということ。今も苦しんでいる人たちがたくさんいるし、自分もいつ被災者と言われる立場になるとも限らないからです。
テレビなどを通じて私もたくさんの現地の映像を見てきたと思っていましたが、三津村さんいわく、現場はあんなものではないと断言されます。
実際に足を運ばないと見えないことはたくさんあるでしょうし、当事者でなければわかりようもないということはいっぱいあることでしょう。
それでも私たちは同じ国に暮らす者として、忘れないようにしようという意識、努力をもっていなくてはいけないことでしょう。