「自力とは自分の努力を誇る道 他力とは努力できる身を喜ぶ道」 蓬茨祖運
自力と他力について、自分の身の上にどのように受け止めればよいか、端的に表してくださっています。
他力について間違った理解をしがちなのが私たちです。ともすると「自力とは努力を惜しまない道 他力とは何もせず只、幸運を待つこと」のように捉えてしまうこともあります。
人間、縁が整えば努力も苦労も出来ますし、しなければなりません。でもそれを自分の手柄にしてしまうと思い上がったり、他を卑下することになりかねません。自力とはつまり「自分の力を頼りとする心」ということです。
一方他力とは同じ努力や苦労においても、与えられた状況に対してそうせざるを得なかったことと受け止めてゆけます。そこには驕りも気負いもありません。
酒の席で自慢話や苦労話は余程こころしてしゃべらないと人からうるさがられたり煙たがられたりするのは、そこに「誇る」思いが潜んでいるからでしょうね。